「障害者と働く?なんだか大変そう」と感じる人もいるかもしれません。しかしかつて「女性と働くこと」が想像できなかった時代がありました。いまではあたりまえのことです。ちょっと未来の目を持つと、「しごと」の新しい可能性が見えてきます。
少子高齢化による担い手不足と、ダイバーシティな現状に直面する多くの企業や行政が、従来の考え方を乗り越えるイノベーションを求められています。固定観念から抜け出し、物事を新しく捉える視点は、多様な人たちと仕事をし、ともに暮らしながら、ズレやギャップと向き合い、試行錯誤する中から生まれてきます。
一方で、社会との間に「障がい」を感じながらも、働く意欲を持つ人たちが大勢います。彼らは、もっと手応えのある仕事や、もっとバリエーション豊かな働き方ができるはず。ふくしごとはそう考えています。
これまで接点を持たなかった人たちが一緒に「しごと」をする。多様な人たちが生活する地域になる。そこで暮らす人たちから、さらなるイノベーションが生まれる。創造性に満ちた社会の循環を生み出す「しごと」をつくる。それが、ふくしごとの仕事です。
「これからはダイバーシティを目指すべき」と、よく言われます。しかし、はたしてそうでしょうか? 高齢者、外国人、子育て中の人、障害者…。ライフスタイルや価値観は多様化し、社会は既にダイバーシティ化しています。求められているのは、ダイバーシティ化した現実に対応していくことです。そしてそこには、企業の抱える「働き手不足」や「マーケティングの難しさ」を解決に導くヒントがあふれていると、ふくしごとは考えています。
日本人の17人に1人が障害者であると言われています。障害福祉事業所では、その障害者たちが、それぞれの障害の度合いに応じ、働くモチベーションを持って、多様な働き方をしています。しかしこれまでは、想定されてきた仕事のバリエーションの少なさや工賃の低さから、その能力を十分に活かしきれない人が大勢いました。ふくしごとは、障害のある人たちには、仕事のパートナーとして豊かなポテンシャルがあると確信しています。
これまで障害者福祉は、企業と行政からの「一方的な支援の対象」と考えられてきました。しかし、ふくしごとは、企業が障害者や障害福祉事業所に仕事を発注することで、これまでになかった新たな循環が起こると考えています。まず企業は、安定的な働き手を得ることができます。障害者は、収入を得て豊かな生活が送れるようになります。障害者が活発に活動することで、地域が多様化し活性化します。多様な人たちが住む地域からは、新たな交流が発生し、さらなる経済活動とイノベーションが生まれてきます。この循環こそが豊かな社会を実現するのです。
では障害者と一緒に仕事をするには、具体的にはどうすればいいのでしょうか。ハードルは実は高くありません。「通常業務の一部を発注する」ことからでも始められます。人を雇用し、様々なネットワークを持つ企業にできることは、たくさんあるはずです。企業と障害者が健全な経済活動を行うことで、上で述べた循環が動き始めます。ふくしごとには、コミュニケーションデザインのプロフェッショナルとして、企業と障害者をつなぐ豊富な実績の蓄積があります。